小児歯科について

小児歯科とは主に乳幼児から12歳ぐらいまでのお子様を対象にしています。
乳歯の役割は、食べ物をしっかり噛むこと以外にも「永久歯が正しい位置に萌出するための誘導」や、「顎の発育を助けることにより、成長期の顔の形を整える」、「発音を助ける」など、とても大切な役割を担っています。
そのため子供時代に乳歯を疎かにすると、永久歯に重大な影響を与えることになりかねません。幼少期からの治療により、不正咬合や虫歯のリスクを大きく軽減させることもできるのです。
しのはら歯科医院では虫歯の予防として「フッ素塗布」と「シーラント」を行っております。
フッ素塗布
フッ素(F)とは天然元素の1つで、フッ素は自然界に元素単体で存在することはなく、フッ化物イオンまたはフッ化物として存在しています。フッ化物は海水や地中にも含まれているだけでなく、私たちが日常摂取している飲食物にも必ず含まれており、フッ化物を多く含む食品としては、エビやイワシなどの魚介類、海藻類、緑茶などがあります。そのため、結果としてヒトは毎日フッ化物を摂取しており、その摂取量はヒトの健康と密接な関係があるのです。
歯科医院で使用されているフッ化物のほとんどはフッ化ナトリウム(NaF)で、歯面塗布を行うことにより、おもに虫歯を予防するための3つのメカニズムが働きます。
- 1 初期虫歯を治す
- 歯は食事をするたびに歯の表面からカルシウム(Ca)やリン(P)などのミネラルが溶けだします(脱灰)。それを唾液に含まれるカルシウムなどにより、溶けだしたミネラルを取り戻しているのです(再石灰化)。このバランスが崩れた時に初期虫歯が進行します。そこでフッ素塗布を行うことにより再石灰化が促進され、カルシウムやリンなどを取り込みやすくする環境を作ることで、初期の虫歯で失われた多くのミネラルが吸収されて初期虫歯が治ることもあるのです。
- 2 歯質を強化する
- フッ素塗布を行うことにより、再石灰化の時にフッ化物が歯の表面のエナメル質の成分と結びついて、フルオロアパタイトを形成することにより歯質を強化します。また萌出後間もない歯は虫歯にもなりやすいのですが、フッ化物の影響も受けやすいため、萌出初期に行った方がよりフッ化物を取り込みやすくなるのです。
- 3 虫歯菌の活動を抑制する
- 虫歯とは、虫歯菌が出す酸によりエナメル質が脱灰されることを言います。フッ化物は虫歯菌に作用すると、酵素活性を抑制し、解糖作用をブロックすることにより酸の生成を抑制することができます。酸の量を減らすことができれば歯は溶けにくくなり、虫歯予防にもつながるのです。