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ドライマウス


 

ドライマウスとは、唾液の量が慢性的に減少し、口腔内が乾燥した状態を言い、「口腔乾燥症」とも呼ばれています。症状としては、口腔内が乾燥して話しにくい・食べにくい、口の中がネバネバするといった不快感などが挙げられます。原因としては様々なことが考えられますが、加齢により唾液を分泌する細胞が機能しにくくなったり、服用しているお薬や心理的要因による場合などもあります。ではドライマウスになったらどのような治療をするのか。また、ドライマウスによって口腔内にどのような悪影響があるのか。今回はこれらについてお話させていただきます。

 

 

 

 

 

≪ドライマウスの原因≫

ドライマウスの原因には以下の6つの項目が考えられます。

①加齢

加齢により、唾液を分泌する唾液腺の機能が低下することで、口腔内が乾燥します。70歳まで変化はありませんが、70歳以上では唾液の分泌量が減少し、ある研究では男性の16%、女性の25%に唾液の減少が認められたことが報告されています。また80歳以降では、10歳代の半分以下にまで唾液が減少します。

 

②薬の副作用

普段から服用している薬によってドライマウスになることもあります。具体的には、抗うつ薬や精神安定薬、鎮痛薬、高血圧の薬、花粉症の薬、更年期症状を改善する薬などです。これらの薬を服用し始めてから口腔内の乾燥が気になるようになった場合、主治医と相談の上、薬を減らしたり、変えたりすることが可能かどうか相談してみて下さい。

 

③噛む回数が少ない、噛む力が弱い

唾液は噛むことによって唾液を分泌する唾液腺が刺激され、また唾液腺の周囲の筋肉が動くことで唾液腺から唾液を押し出します。柔らかいものばかり食べていたり、食事の際にしっかり噛まないと唾液がしっかり分泌されず、唾液腺の機能が低下します。また虫歯や歯周病を放置していて、しっかり噛めない口腔内の状況になっていることも考えられるため、歯科医院でしっかり治療してもらうことをオススメします。

 

④心理的要因

ストレスや緊張による心理的要因により、交感神経が刺激されることで唾液の分泌が減少します。緊張すると口の中がカラカラに乾燥するといった経験が、みなさんも一度はあるのではないでしょうか。

 

⑤口呼吸

通常、呼吸は鼻で行い、鼻呼吸では空気は鼻から入り、鼻の中の湿った粘膜の空洞である副鼻腔を通ります。副鼻腔は多くの壁に仕切られ、乾燥しにくい環境になっていますが、口腔内では口呼吸によって粘膜が直接外気に触れることで乾燥してしまうため、ドライマウスになってしまいます。

また、副鼻腔炎や蓄膿などにより鼻呼吸が苦しい場合にも、口呼吸になってしまいます。その時には耳鼻科などで相談するといいでしょう。

 

⑥シェーグレン症候群

自己免疫疾患のことで、詳しい原因はまだわかっていませんが、遺伝や環境など様々な要因が複合的に関連して発症すると考えられています。女性ホルモンも一つの要因として考えられていることから、罹患率は女性の方が高い傾向にあります。症状としてはドライアイ、関節リウマチなども併発します。

 

 

 

 

 

≪ドライマウスによる悪影響≫

以前の豆知識ブログの「本当は凄い!唾液の作用と働き」で紹介したように、唾液には多くの作用や働きがあり、ドライマウスになることで、これらの唾液の作用が機能しなくなります。具体的には虫歯や歯周病になりやすい、口臭が出る、味覚障害、物が飲み込みにくい、口内炎ができやすい、舌や歯肉などの粘膜がピリピリして痛いといった症状が認められます。

 

 

 

 

≪ドライマウスの治療法≫

①唾液腺マッサージ

唾液腺マッサージを行うことで唾液腺が刺激され、唾液の分泌を促進します。大きな唾液腺が耳の後ろや顎の内側にあるため、そこをマッサージしましょう。

 

 

②カフェイン、アルコール、ニコチンを減らす

カフェインやアルコール、ニコチンには利尿作用があるため、体が脱水状態になりやすく、ドライマウスを引き起こします。日頃から摂取しすぎないよう注意して下さい。

 

③水分を多く取る

成人の一日の平均水分摂取量は2~2.5リットルです。ダイエットなどで水分や食物の制限を行うとドライマウスになることがあるため、こまめに水分補給をするよう心がけましょう。

 

④よく噛む

よく噛むことで唾液腺が刺激され、ドライマウスが改善されます。特に入れ歯や噛むところが少ない方は唾液が分泌されにくいため、口腔内を健康に保ち、しっかり噛める状態にしておくよう歯科医院でしっかり治療してもらうようにしましょう。

 

⑤薬の変更や量を減らす

薬の副作用によってドライマウスが引き起こされる場合は、薬の種類の変更や量を減らすことによって改善されます。ただし、全身的な病気のために薬の服用が必要な場合が多く、主治医としっかり相談する必要があります。

 

⑥保湿ジェルなどでオーラルケアを行う

バイオティーンやアクアバランスなどの保湿ジェルやマウススプレーを使用することで、口腔内が潤って乾燥しないようにします。通販などでも購入可能です。

 

  

 

 

 

≪まとめ≫

ドライマウスは自覚症状がなく進行することがあるため、急に虫歯ができやすくなったり、口臭が気になりだしたりすることがあります。また以前に比べて口の中の乾きを感じるようになることがあるかもしれません。ドライマウスから体の異常が発見されることもあり、何か病気が隠れている可能性もあるので、心配な場合は稲毛区のしのはら歯科医院までお気軽にご相談ください。