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虫歯や歯周病により歯が抜けてしまった場合、それを補う治療法として入れ歯があります。現代の歯科医療では入れ歯はレジンや金属などを使用し、歯科技工士さんに作製を依頼することが多いです。
虫歯や歯周病は今も昔も人々を悩ませる疾病でしたが、昔の人は歯が抜けてしまった時、どのように対処していたのでしょうか。
皆さんはこの歴史的偉人をご存知でしょうか。
おそらく多くの方々が知っていると思われるアメリカ初代大統領で1ドル紙幣にも描かれている『ジョージ・ワシントン』です。一見、普通の肖像画に見えると思いますが、口元が少し不自然だと思いませんか。実はジョージ・ワシントンはこの時すでに総入れ歯を使用していたのです。若い時から虫歯に悩まされ続け、20代の頃から歯が抜けはじめてからは徐々に歯の本数が減っていき、最終的に総入れ歯になっていたと言われています。
当時の入れ歯は現在のように上下別々の形ではなく、スプリングで上下をつなぎ、歯ぐきに押し付けることによって動きを少しでも止めるようにしたものでした。そのため、しっかり口を閉じていないと入れ歯が飛び出してきてしまうため、口元に力が入った違和感のある表情になっているのです。その後もジョージ・ワシントンの歯に対する苦労は続き、大統領としての公務にも影響が出始めます。徐々に歪んでいく顔貌と滑舌の悪化により、公衆の目前での演説もほとんど行われなくなり、入れ歯が原因で大統領としての職務を退いたとも言われています。
では昔の日本人はどのような入れ歯を使っていたのでしょうか。
江戸幕府を開いた徳川家康も入れ歯を使っていたことが歴史書にも記されており、江戸時代にはすでに入れ歯が普及していたものと思われます。
日本に残っている最古の木床義歯は、1538年に74歳で亡くなった和歌山市にある願成寺の尼僧『仏姫』のものです。この入れ歯は奥歯が噛み合わせによって擦り減った状態になっていることから、実際に口腔内で使用されていたと思われます。
江戸時代の入れ歯は木ロウで型を取り、ツゲの木を削って作っていました。ツゲの木は緻密で硬く、また抗菌作用があるため清潔に保つことができ、入れ歯として使うのに最適な材料でした。前歯には自分の歯もしくは他人の歯を絹糸でくくり付け、奥歯には金属の釘を何本も打ち付け、よく噛めるようになっていました。
当時の入れ歯を作っていたのは歯科医師ではなく、仏師という仏像を作る人たちによって作製されていました。彼らが殿様や身分の高い人の要求に応じて、ツゲの木を彫刻して入れ歯を作っていたのです。
≪まとめ≫
このように歯の悩みは今も昔も変わらないものではありますが、改めて日本人の手先の器用さには驚かされますね。現在の入れ歯は金具が全て歯肉の色に合わせたプラスチック製のものも普及してきており、噛むことだけでなく、審美性にも優れた入れ歯を作ることが出来るようになってきております。噛み合わせや審美面など、入れ歯でお困りになっている場合には、稲毛区にあるしのはら歯科医院までお気軽にご相談下さい。