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大好きな父へ


11月27日午前3時すぎ、しのはら歯科医院の前院長である父の篠原和男が、悪性の脳腫瘍により他界しました。57歳でした。父は30年前に千葉市稲毛区でしのはら歯科医院を開業し、そこから30年間一度も休むことなく、地域の皆様に愛される歯科医師として働いてきました。ところが昨年の9月、突然の頭痛により救急車で搬送され、悪性の脳腫瘍と診断されました。手術や抗ガン剤、放射線治療など、あらゆる治療を施してきましたが、腫瘍は脳の深部にあり、腫瘍の全てを摘出するのは困難であり、また悪性度も高いため、治療は困難を極めました。一時はゴルフを出来るまでに回復しましたが、最後まで腫瘍の進行を止めることは出来ませんでした。

 

自分が思う生前の父のイメージは「仕事に真面目でゴルフが大好き」です。全力で仕事に取り組み、休みの日はゴルフも全力で楽しんでいる感じでした。家庭での父は「時に厳しく、時に優しく、冗談を言う面白い父親」でした。父が実際に治療している姿を見たのは約20年ぐらい前なのでほとんど覚えていませんが、先日の内覧会でいらっしゃった多くの患者さんの話を聞くと、父は優しく親切丁寧な診療をしていた、ということを聞きました。正直驚きました。家庭では父が人に対して、丁寧に優しく対応している姿が想像できませんでした。自分自身、歯科医師になって心がけていることは、「患者さんに対して親切丁寧に対応すること」をモットーにやってきました。どうやら、その考え方は父親譲りだったのかもしれないと、改めて気付かされました。

 

子供の頃から「自分のやりたい職業に就きなさい」と父に言われており、「歯科医師になれ」とは一度も言われませんでした。ところが自分が進路に迷っていた高校の頃、父に「歯科医師を目指したい」と伝えたところ、とても嬉しそうだったのを今でも覚えています。その後、父と同じ日本大学松戸歯学部に入学が決まった時や、歯科医師国家試験に合格した時も、父は自分のことのように喜んでいました。口には出しませんが、やはり父も息子が自分と同じ道を歩んでくれることが嬉しかったのかもしれません。理想を言えば、最後は父と一緒に働きたかったのですが、その夢は叶いませんでした。新しく出来た歯科医院も、自分が働いてる姿も実際に父に見てもらうことは出来ませんでしたが、きっと父は天国で見守ってくれると思います。父のためにも、しのはら歯科医院の新しい院長として、これから頑張っていきたいと思います。

 

 

大好きな父へ

今まで育ててくれて本当にありがとう。父のように、地域の皆様から愛される歯科医院の院長であり続けるよう、これからも頑張っていきますので、どうか天国で見守っていて下さい。