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前回の豆知識ブログで、正しい歯磨きのやり方について説明させていただき、より効果的にプラークを除去できるようになったと思います。ところが、残念なことに歯ブラシだけでは口腔内に付着したプラークを完全に除去することは出来ないのです。そこで重要になってくるのが歯間ブラシとデンタルフロスの併用です。以下の図に示すように、実は歯ブラシのみでは、口腔内全体のプラーク除去率は61%しか期待できません。しかし、デンタルフロスを併用することによって79%に、歯間ブラシを併用することによって85%にまでプラーク除去率を高められるのです。
歯間ブラシやデンタルフロスも使った方がいいと思ってはいても、普段から使う習慣がなく、また使い方がわからないため歯ブラシのみしか行ってない方が大勢だと思います。そこで今回は歯間ブラシとデンタルフロを使う利点や、その正しい使い方についてお話させていただきます。
まずデンタルフロスを使うことによって以下の5つの効果が期待できます
①虫歯になりやすい歯と歯の間をケアすることができる。
おもに虫歯になりやすいのは歯の溝の部分と、歯と歯のすき間の歯間部になります。特に歯と歯の間は歯ブラシだけでは磨きにくく、歯間ブラシやデンタルフロスを使う習慣がない方は、すき間の隣接面に汚れが残ってしまい虫歯ができてしまうことがあります。デンタルフロスを使ってプラークを除去することで、歯を清潔に保ち、虫歯や歯周病の予防にもつながるのです。
②虫歯の初期症状を発見することができる。
デンタルフロスを使った時に以下の項目に該当すれば、初期の虫歯の可能性が疑われますのでチェックしてみて下さい。
・歯と歯の間でざらつきを感じる
・出し入れの時に糸がバラける
・毎回同じ部分でフロスが引っかかる感じがする
虫歯を早期に発見できれば、ちょっとした治療や予防処置のみでも虫歯を治すことができます。デンタルフロスを使うことはプラークの除去だけでなく、虫歯の早期発見にも役立てることができます。
③ 詰め物、被せ物の不具合を早期に発見することができる。
デンタルフロスを使うことで虫歯を早期発見できるだけでなく、詰め物やかぶせ物がしっかり歯に合っているかどうかをチェックすることができます。デンタルフロスを使ってザラつきや引っかかる感じがある場合、詰め物やかぶせ物の付近から進行していく二次カリエス(虫歯で治療した箇所が再び虫歯になること)を早期に発見できるのです。
④ 歯周病予防のセルフチェックになる。
歯と歯の間にデンタルフロスを入れて出血があった場合、歯周病や歯肉炎の疑いがあります。また、合わなくなった詰め物やかぶせ物によってプラークが付着しやすくなり、歯肉に炎症を起こしている場合もありますので、チェックしてみて下さい。
⑤口臭が少なくなる。
歯と歯の間にはプラークが付着しやすく、歯ブラシのみでは取り 切れない汚れが残ってしまうと口臭の原因にもなります。もし口臭が普段から気になっている方がいらっしゃれば、日常的にデンタルフロスを使用するようにしてみて下さい。
≪正しいデンタルフロスの使い方≫
①フロスを約40cm(指先から肘まで)の長さに切り出します。
②まず片方の中指に巻き付け、次にもう片方の中指にデンタルフロスを巻き付けます。最後に両方の人差し指と親指で持っていただきます。
③デンタルフロスを歯間部に挿入する際に、無理な力で入れようとすると歯肉を傷付けてしまうことがあるため、前後に動かしながらゆっくり奥まで通して下さい。挿入したら、フロスを両方の隣在歯の歯面に沿わせて動かすことでプラークを効率良く除去できます。
④部位によってデンタルフロスの通し方が違うので以下のイラストを参考にしてみて下さい。
⑴上の前歯
⑵下の前歯
⑶上の奥歯
⑷下の奥歯
≪デンタルフロスと歯間ブラシの違い≫
デンタルフロスと歯間ブラシはどのように使い分ければよいのでしょうか??
歯と歯の間の汚れを除去したり、プラークを残らないようにするには歯間ブラシの方が有効です。しかし、若い方で歯周病が進行していない方は、歯と歯の隙間が小さいため歯間ブラシ入らなかったり、また無理に通そうとすると歯肉を傷付けてしまうことがあります。そのため、若い方はデンタルフロスを使い、歯と歯の隙間が気になりだした方は歯間ブラシを使うことをお勧めします。
虫歯予防……デンタルフロス
歯周病予防……歯間ブラシ
このように使い分けてみて下さい。
≪歯間ブラシの使い方≫
①自分に合ったサイズを選ぶ
歯間ブラシで効率良くプラークを落とすためには、まずはサイズ選びが大切です。自分の歯の隙間に合っていない小さいサイズの歯間ブラシを使っているとプラークを効率良く除去できず、また大きすぎるサイズの歯間ブラシを使っていると歯肉を傷付けてしまう場合があります。
②歯間ブラシの使い方
歯間ブラシを使う際、まずはブラシ部分を折り曲げて使って下さい。
③歯間ブラシの動かし方
歯と歯の間に挿入して前後に動かして下さい。この時、歯肉に向けて歯間ブラシを下方向に動かしてしまうと歯肉を傷付けてしまうことがありますので、歯に対して垂直に押し出すように使ってみましょう。
④歯間ブラシのお手入れ
歯間ブラシを使った後はブラシを流水で洗い、清潔にしておきましょう。交換時期としては、ブラシの毛先が広がってきたら新しいのに変えて下さい。
≪まとめ≫
歯ブラシは誰しも必ず毎日使っているため、歯磨きの習慣はみなさんあると思います。ところが、デンタルフロスや歯間ブラシを毎日使っている方は意外と少なく、毎日補助的に使って清掃することに抵抗を感じるかもしれません。しかし、デンタルフロスや歯間ブラシを使っていれば虫歯や歯周病の予防効果は絶大です。将来、ご自身の歯の残っている本数も変わってくるのは明らかです。デンタルフロスや歯間ブラシは薬局でも売っていますし、しのはら歯科医院の受付でも販売しているため、ご自身に合ったものの購入をご希望であれば、当院の歯科医師や歯科衛生士まで気軽にご相談下さい。